友達

何時ぞやだったか、誘われたので映画を見に行った。そこまで面白くなかった。博多駅の本屋で待ち合わせをして、映画館でポップコーンとコーラを買って、学割で映画を見た。
そういえば半袖だった気がしてきた、あれは多分夏のことだった。


授業中に話をした。授業の内容なんて当たり前だけど覚えていなかった、何を話したのかさえ、もう忘れてしまった。

ただ、何となく、それなりに楽しかった気がする。


昼休み、腹を空かせて購買に行った。1年生のクラスは最上階だったから、毎回乗り遅れるんだよな。
やたら固い明太フランスとほとんど衣の唐揚げとかしわおにぎり。
自販機で買ったパックジュース、お前何飲んでたっけ、忘れた。いちごミルクだっけ。


今日は雲ひとつない空だった、青々と澄んでいた。

同じような空模様の時、一緒に帰ったかもしれない。覚えてないけど。
明日も晴れるらしい。洗濯物がよく乾く。
なんだろう、
死ぬには少しばかり、いい天気過ぎた。


あの時、俺は16歳で、お前も16歳で、あいつも16歳だった。俺は先日21歳になった、お前はこれからもそうだろう。
あいつとは明日卒業して3年ぶりに会う。お前とも3年ぶりに会うことになる。
随分変わったな、あいつはどうだろうか。俺はこの通りの様だよ。
久しぶりに元気か?と聞いたんだから、元気だと返せよ、そういうもんだろ。

 


明日は早起きするよ、高校の朝課外みたいに。
お前は早く眠ったから、うんと早く起きろよ。

 

 

追伸

何も食べずに行ったもんだから、仏壇の前でお腹が鳴ってしまった。悪いな、生きてるってこういう音が鳴るもんだから。

博多駅でラーメンを食ったよ、あいつによると卒業式の日も食ったらしい。そうだったっけ。

思い切り吸い込んだ煙が少し辛かった。

やっぱり今日は天気が良いから、俺はもう少し後に行くよ。